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中国ビジネスで成功するための必要条件 〜アリペイの活用とチャレンジ精神

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中国ビジネスで成功するには、何が必要か──。
この答えでもあり、中国ビジネスをおこなうにあたって、根本的に理解しておかなければならないことについて、先日、「ネットサービス「日本不発で中国成功」のわけ」という記事が東洋経済ONLINEに掲載されていた。

非常に興味深く、また核心を突いていると思うので紹介させていただく。

日本ではあまりうまくいったとはいえないが、中国で大成功したインターネットビジネスがある。(中略)

一つは、「エスクローサービス」(商取引する際、第三者を仲介させる決済サービス)であり、もう一つは「配車サービス」である。日本でのエスクローサービスは、約10年前から提供されており、「楽天あんしん取引」や「オークション宅急便」などがある。しかし現在、メインの決済方式ではない。一方の中国では、アリババグループのアリペイ(支付宝)を代表としたエスクローサービスの市場規模は2015年に11.8兆元(約196兆円、iResearch)に達している。オンラインでもオフラインでも現在の中国でメインの決済方式となっている。

配車サービスについては、米配車アプリ大手のウーバー(Uber)が日本に進出しようとしたが、法律の制限やタクシー業界の抵抗によってなかなかうまくいっていない。一方、中国、特に大都市では、配車アプリを使わないとタクシーを拾えないぐらい普及している。

東洋経済ONLINE「ネットサービス「日本不発で中国成功」のわけ

この「エスクローサービス」と「配車サービス」が中国で成功した要因として、信頼がおけない相手とのカード決済や現金取引における不信感があり、これを解消するサービスであることが挙げられている。

uber

その要になっているのが、アリババグループが提供する「アリペイ(支付宝)」である。

エスクローサービスは、一言でいうと売買双方の口座の間に「仲介口座」を置くサービスであり、売買双方の不信感というギャップを埋めるものだ。アリペイを例にすると、買い手は、取引金額だけをアリペイ口座に振り込む。商品に不備や破損があった場合、アリペイに連絡すれば支払いを止めることができる。売り手も、悪意のある支払拒否に対してアリペイに調査してもらうことができる。

東洋経済ONLINE「ネットサービス「日本不発で中国成功」のわけ

オンラインのECにおいても、アリペイ決済は主流であり、現在のアリペイ口座数は4億5,000万を超えるといわれている。
未上場ながら、アリペイは中国の大手国有企業と並ぶ600億ドル(約6.5兆円)もの企業価値があるとのこと。
上海における一人あたりのアリペイの年間利用額は10万元(約160万円、1元=約16円)にものぼる。

どれほど中国市場に浸透しているかがわかるかと思う。

このアリペイを徹底活用するのが、中国ビジネスで成功するための1つの要因だといえる。

alipay

加えて重要なのが、チャレンジスピリットである。
観念的な話に聞こえるが、中国市場の成長スピードと拡大する規模は、日本の比にならないことはご存じの方も多いかと思う。

中国ビジネスにおいて、このスピードについていくためには、即断即決の意思決定がおこなわれなければ、すぐに調査したデータも、検討した資料も古いものになっていく。
失敗を恐れず、まずやってみる。やりながら改善方針を探り、すぐに実行に移していく。
このぐらいの感覚を持たなければ、中国ビジネスにおける成功はありえないのである。

何をすれば成功するか、どうすれば売上が上がるか、どんな商品が中国で売れるか──。
このような情報を求められる方が非常に多いのだが、答えは机上の空論では出てこないし、こういった情報が出回るころにはすでにトレンドが変わってしまっていることがほとんどである。

最後も同記事の結論を引用させていただき、中国ビジネスへの取り組み姿勢をあらためて見直していただければと思う。

(前略)企業は「失敗する」リスクを負いながら、速やかに判断・改善しないと、すぐに淘汰される。今までと同じやり方では失敗同然になる。一方、この不安定・不備な状況だからこそ、ビジネスチャンスや新市場が生まれる。企業にとっては、いかに新しい消費者を捉えるのかが肝心だ。多少赤字が続いても、コアなファンを集められるのであれば、投資ファンドに興味を持たれ、投資してもらえる。そのおカネで本体サービスを軸にチャレンジもできるし、新たなビジネスも開発できると考えられる。

中国のビジネスは、ルールもはっきりしていないし、「朝令暮改」が多い。中国企業はすぐに結論を求めるから、「アニマルスピリット(野心的な意欲)」が強くて怖いと思う日本企業が多いかもしれない。しかし、これは、瞬息万変の中国市場に対応するには必要な精神である。

(中略)

日本企業は、中国ビジネスを検討する際、多かれ少なかれインターネットビジネスと関連させざるをえない。上述した中国と日本のビジネス環境の根本的な違いを理解した上で、圏子を利用した情報拡散、スマホ社会への適合、スピーディーな意思決定、現場裁量の拡大など、現地に適応した戦略を考えるべきなのではないだろうか。

東洋経済ONLINE「ネットサービス「日本不発で中国成功」のわけ

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