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中国政府による越境EC政策の変更は日本企業にどのような影響をもたらすか

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今回はJETRO(日本貿易振興機構)が発表したレポートをご紹介します。

急成長中の越境電子商取引に関する一連の新政策が発表された。主な変更点は2点。税制と輸入規制。一般貿易に比べ低い税率だった行郵税を廃止し、関税、増値税、消費税を課す。輸入規制ではポジティブリスト方式がとられる。政策変更の影響は日本企業にも及ぶが、越境EC活用のメリットは引き続き大きいといえる。

JETRO「【中国】越境EC政策変更の余波(2016年7月)

 

中国において越境ECが活況であることは、先日のブログ「2015年度の中国への越境EC市場規模は7,956億円と他国を圧倒」でもお伝えしました。

このような中、越境ECに取り組む企業を震撼させたのが、今年2016年3月におこなわれた、中国政府による税制と輸入規制の変更でした。

新政策の主な変更点は、税制と輸入規制。
まず税制については、行郵税を廃止し一般貿易と同様に関税、増値税、消費税を課す(表1)。ただし、1回当たり2,000元以下かつ年間で2万元以下の取引の場合、関税率を0%、増値税と消費税についてはそれぞれ法定の70%とする暫定的な優遇措置を設けた。
100元以下の化粧品を購入する場合、旧税制では行郵税の免除によって税率が実質0%だったが、新税制では47%となる。一方、250元超の洋服を購入する場合、新税制の方が安くなる(表2)。

(中略)

次に輸入規制。新政策ではポジティブリスト方式がとられ、掲載品目のみ輸入が認められる(表1)。2回に分けて公開されたリストには食品、化粧品、アパレルなど計1,293品目が掲載されている(2016年5月時点)。ポジティブリストによる輸入規制は業界に衝撃を与えた。政府はリストに掲載した商品の輸入を認めるとしながらも、輸入時には一般貿易と同様の通関手続きを行うよう求めた。(後略)

JETRO「【中国】越境EC政策変更の余波 (PDF)」

 

(表1)越境EC新政策による変更点
jetro_figure_01

 

(表2)税改正による越境ECの税率変化
jetro_figure_02

詳細は原文を当たっていただくとして、要はこれが契機となって、中国への越境ECが落ち込むのかどうかです。
答えは、JETROのレポートにもありますが、これまでのように享受できるメリットは大きくなくなったものの、それを圧倒するぐらいの市場が中国にはあると考えます。

中国国内においても、改変後も越境EC商品には「強い吸引力がある」との声が上がっています。

中国社会科学院財経戦略研究院税収研究室の張斌室長は、「このたびの越境ECの課税政策の調整は一般の人にはそれほど大きな影響がなく、消費者にそれほど大きな負担を強いることもない。新課税政策の施行後、これまで免税対象だった食品、保健用品、粉ミルク、紙オムツなどへの影響は大きく、買い物コストは上昇することになる。税負担の増加が価格の上にはね返るか、越境EC企業が自ら消化するかは、しばらく様子を見る必要がある」と話す。

価格はバタバタと動いているが、多くの消費者は引き続き海外通販モデルを好むとしており人気は健在だ。なんといっても越境ECの商品の豊富さには強い吸引力があり、税負担が増加しても多くの海外ブランド商品には国内ブランドよりも高い競争力がある。

人民網日本語版「新課税政策で越境ECはバタバタ 人気は健在 (3)

 

今後、中国政府による管理体制はさらに強まっていくものと思われますが、正しく情報を仕入れ、それに対する対処をスピード感をもっておこなっていくことで、逆境を好機に変えていく必要がありますね。

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